うちのこの演出の仕方(RAW現像による一例)

うちのこを可愛くキレイに撮りたい。
ドール沼住人ならほとんどの方がそう思うのではないでしょうか?
その1その2では、レフ板による反射光と併せてLEDライトを使いました。
今回の説明は撮影方法とはちょっと違いますが、
撮った写真をより自分の狙い通りに演出する方法です。

デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラはもちろん、
プレミアムコンパクトカメラを使っている方であれば、
「RAW現像」という言葉を聞いた事はありませんか?
RAWとは”生の”という意味で用いられますが、
一般的なデジタルカメラでは"映像エンジン"と呼称されるCPUにて
RAWデータをJPEG画像に自動で変換してくれている訳です。
カメラによってはこのRAWデータを残して撮影できる機種もあり、
そのデータを自分でJPEG画像に変換する作業をRAW現像と呼びます。

もう少し判り易い例に置き換えると、
RAWデータ:料理の素材。お米、パン、肉、野菜etc...
JPEG画像:調理をほどこし、料理として出されたもの
RAW現像ソフト:調理器具、及び調味料、スパイスetc...
料理人:撮影者であるあなた

RAWデータをRAW現像ソフトを用いてJPEG画像に変換というのは
つまり、料理素材を調理器具と調味料で調理、味付けして料理完成!
と解釈するとイメージし易いかと思います。

では、ここからは実践してみましょう。
モデルは昨日撮影したちいかちゃんです。
XZ-2が生成したJPEG画像がこちら。

ちょっとメリハリに乏しい、コントラストの弱い仕上がり。
あちこちから光を当てているから、まぁ仕方がありません。
ではこの写真を調理よろしく料理してみましょう。

今回はOLYMPUSの純正RAW現像ソフトを使用します。

これが何も手を加えていないRAWデータです。

ではまず、コントラストの低い状態を改善する為に、
「ハイライト&シャドウコントロール*1を調整して、

明るいところをより明るく、暗いところはより暗くします。

しかしこれでもまだ背景の黒が締まった黒には見えません。
今度は階調を"オート"から"ローキー"へ変更。*2

全体的にコントラストが強くなり、締まって見える様になりました。

ですが、写真を全体的に暗くする仕上げを施した事で、
いかちゃんの表情まで暗くなってしまいました。

そこで、仕上げに写真の露出補正をします。
明るくする方向、つまり+方向へ0.4ほど調整しました。

これが実際に今の手順でRAWデータから現像した写真です。

暗部が締まって、ちいかちゃんの存在感が高まりました。

カメラ生成のJPEG画像と比較してみるとよくわかりますね。

この様に、自分が意図したい見せ方を演出できると、
ドールの魅力もより深く表現でき、表現の幅も広がります。
難しそう・・と思わず軽い気持ちで挑戦してみてはいかがでしょう?

*1:メーカーによって呼称は異なるものの明暗を任意で調整する機能が各社存在します。

*2:ローキーとは全体的に暗く仕上げる事で明るい部分を強調する手法です。ハイキーはその逆で明るく、柔らかい印象を与える手法です。